フランスの子供部屋おじさん 「Tanguy」
2001年に公開されたフランス映画 「Tanguy」
フランス パリの子供部屋おじさん?
「子供部屋おじさん」やら「子供部屋おばさん」ってどんな人達のことを言うのか知っていますか?
社会人になっても両親の居る育った家から出ないで生活している人達の事らしいです。
経済的に自立が困難だったり
引きこもりニート
ただ居心地がいい
通勤やら住宅事情などで利便性重視の結果
などなど理由は様々です。
90年代後半には「パラサイトシングル」とよばれていたみたいです。
表現の仕方は時代によって変わっているけど根本は変わっていない社会問題をコメディタッチに描いた2001年に公開されたフランス映画 「Tanguy」。
ちなににフランスでは「カンガルージェネレション」。
またはこの映画にちなんで「ジェネレーショントンギ-」と言われていています。
人種問わずフランス社会でも問題になりドキュメンタリー番組にもなっていました。
「No Scrub」アメリカ社会での子供部屋おじさん?
18歳以上になったら親元から離れて自立するというのが当たり前という考えの米社会では、子供部屋おじさんはまじ負け犬という考えは少なくとも20年前からあったと思います。
現に90年代後半に大ヒットしてTLCの「No Scrub」という歌にもいい歳してママといっしょに住んでいる男性は恋愛対象になんてならない。
なんていう歌が世界的に大ヒットしました。
ちなみみスクラブはゴシゴシこするという意味の他にはつまらない奴という意味もあります。
つまらない人間なんていらないなんて歌のサビの部分にもあるようにどうしてもアメリカ映画やテレビシリ-ズでもどうしても子供部屋おじさんは負け犬というレッテルを張られてしまっているようです。
ちなみに2006年にアメリカで制作されたあのsex and the city のサラ・ジェシカ・パーカー主演の 「Failure to Launch」邦題「恋するレシピ」
アメリカの子供部屋おじさんの映画:
sex and the cityでも子供部屋おじさんのエピソ-ドがありましたね。
この社会問題は国は変われど何処にでもあるようです。
フランスの子供部屋おじさん 「Tanguy」映画の内容
この映画の主人公トンギーは古代中国文化の研究者で教壇に立ち経済的にも社会的にも自立した28歳。
実家暮らしで普通に数々のガ-ルフレンドもいて家事や洗濯は母親任せで何不自由なくパリでの独身生活を楽しんでいる青年。
なんとナイトクラブで出会った一晩だけの相手すら悪びれる事なく連れ込んで両親と一緒に朝食…。
何故かその一晩だけの相手の最初に出てくるのがジャパニーズガ-ル。
なぜ日本人なんだ?
とまぁそんなことはさておきこの映画フランス文化と東洋文化の違いを理解した上で見ると更に面白いです。
簡単に言うと両親の息子追い出し作戦!
フランスではバカンス時になるとだいたい小さい子供がいる家庭でも、
子供達と一緒に行くバカンス
夫婦やパートナーと二人だけで行くバカンス
と分けている人が多いと思います。
なかなか日本では考えられないことだけどカップルの時間をとても大事にします。
カップル文化のフランスで28歳の息子トンギーと両親の三人の日常生活を想像してみてください。
母親は未だに実家住まいの息子の事で悩み精神科医にまで通うぐらい深刻です。
しかし直接息子に家を出ていけと言えずに小さい嫌がらせで息子を家から追い出そうとするのですが
その内容が笑えるのです。
でもきっと日本をはじめ東洋文化圏の人達は
そんな事をしてまで結婚前の自分の子供を実家から追い出そうという発想はないかと思います。
もちろん映画なので大げさな演出になってるけど面白いです。
最後は意外なかたちでフランス映画には珍しくハッピーエンドになっています。
フランスの子供部屋おじさん 「Tanguy」まとめ
時代は変われど子供の自立は万国共通の問題のようです。
色々な事情で実家から通勤してる人
実家で仕事してる人
別世帯で両親と同じ敷地内で暮らす家族などかたちはざまざま。
さすがに8050問題になったら深刻な問題だけど
経済的にも精神的にも自立してお互いの生活を尊重して一緒に暮らせたら同居という形でも悪くはないのではないと思います。
フランスの子供部屋おじさん 「Tanguy」おまけ
続編が今年4月にフランスで公開されていました。